エナメル質表在性の再石灰化が期待できる虫歯。 | |
《C1》 | エナメル質に限局した虫歯で、痛みなどは伴わない。 |
《C2》 | 象牙質に及んだ虫歯で、冷たいものや、甘いものがしみたりします。 歯髄(神経)を保護する処置が必要です。 |
《C3》 | 歯髄(神経)まで進行した虫歯で、激しい痛みを伴うこともあります。 歯髄(神経)をとる処置が必要な場合があります。 |
《C4》 | 歯冠崩壊をおこし、根の先の方まで菌が進行し、状況により抜歯をすることもあります。 |
虫歯が神経まで進行したC3です。
複数のタイプの虫歯を有する口腔内です。
再石灰化というのは、歯の表面のほんの少し溶かされた箇所が、唾液成分のリンやカルシウムによって修復される現象のことです。
よって、完全に穴があいていたり、痛みのある虫歯などは、再石灰化で自然に治癒することは、残念ながらあり得ません。
プラークは、いわゆる“食べカス”ではなく、口腔内常在菌の集合体のことです。これらが糖を分解して作る“酸”が虫歯の原因です。
安静時の口腔内phは7の中性に保たれています。この状態では虫歯はできません。
しかし、糖分を含んだ飲食物を摂取すると、細菌が酸を産生し口腔内のphが下がり始めます。phが5.5以下になるとエナメル質が溶け始めます。これを“脱灰”と言います。ph5.5以下の状態が長時間続くと歯に穴があいてしまいます。
通常、口腔内が酸性に傾くと、唾液の緩衝作用により、約20~30分で中性に戻ります。食後できる限り早めに口腔内を清掃してあげることで、ph5.5以下の状態から中性状態により早く戻すことができ、虫歯予防に有効です。マスコミなどで、歯に傷を付けやすいので食後30分は磨かないようにしましょうなどと紹介されることがあります。しかし、これは酸蝕症の話であり、う蝕(虫歯)の話ではございません。したがって、食後は可及的に早く口腔内を清潔にしてあげましょう。
公益社団法人 日本小児歯科学会
https://www.jspd.or.jp/recommendation/article09/
赤く染まっている部分がプラークです。